こんにちは! ライターのさえりです。
めちゃめちゃ久しぶりにブログを更新したのは、「離島観光活性化促進事業」のお仕事で、 “与那国島”に行ってきたから!
題して、
「美人をふやせ。与那国島」!!
……とのこと。
与那国島ってどこ?と思った方もいるかもしれないので、まずは地図を見てみましょう。
ここ、です。
そう、与那国島は日本の最西端の島なんです。その西っぷりたるやよく地図を見ると、那覇よりも台湾の方が近い、というほど……!
事前にもらっていた島内の地図がこちらです。
島内は、久部良(くぶら)、祖納(そない)比川(ひがわ)の三つの集落でできています。周囲は約28キロ、人口は約2000人。車で一周しても約1時間だそう。
「日本で最後に沈む夕日、見たくないですか!?」
「星の数は、本当にすごいですよ!」
「満月だと神秘的なんですよ!」
「あの有名なDr.コトー診療所の舞台になった場所でもあるんですよ!」
「海は青くて、気持ちいいですよ!」
むっ! おもしろそう……!
ということで、2泊3日で行ってきました!
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が、なんと天候は大荒れ。
島旅って、ほら、青い空〜!青い海〜!その横をバイクで駆け抜けるわたし〜(ぶんぶ〜ん)、みたいなイメージがあるじゃないですか(ないですか?)。
まあ、わたしの頭の中の与那国島は365日こんな感じ。
▼フリー素材です。
しかし、現実は。
天候が命(と思われる)島旅で、3日中2日大曇天&雨&強風に見舞われてしまいました。
予定していたビーチでの水着ぷかぷかは中止、釣りも中止、星も満月も夕日も朝日も無し、船も欠航、店も謎の休業という怒涛のライター泣かせラッシュ……!
「もうこれって取材できないんじゃないの……」と、半ば諦めかけていたのですが……。
こんな天気でもなんだかんだ楽しめました……!!!!
というわけで、そもそも「与那国島ってどんなところ?」と気になっている方はもちろん、「行ってみたい気はするけど曇天だとどうなるの?」と興味のある未来の旅人、そして「取材に行ってみたら曇天だった人のレポート記事が読んでみたい」という奇特な方のために記事を書きます。
とっても長くなってしまいましたが、ぜひ最後までお楽しみくださいませ!!!
まずは交通手段について
曇りでも楽しめるスポットの前に、まずは交通手段について。
与那国島への行き方は、船と飛行機の2種類。今回は、羽田から石垣まで飛び、そこからさらに飛行機で与那国島に降り立つコースに。
与那国島への便は、そう多くありません。今回は朝6:35の便に乗ることに(ちなみに4時起きだったので、死ぬかと思いました)。
石垣島で乗り継いでいるとき、「風が強いので、もしかしたら与那国島に降り立てないかもしれません。その場合は、宮古島に降りるかもしれません」と、不測のアナウンス。宮古島に降り立ったらわたしのこの取材はどうなるんだ……とびびりあげていたのですが……、
無事到着しました! 東京から、約5時間で最西端の島に到着です。
▲与那国空港の荷物ターミナル、ちいさくてかわいい。
▲タクシー乗り場もある!
以前人口300人の東京の離島「利島(としま)」という場所に行ったときは、島が小さいこともありタクシーはなかったのですが、与那国島にはタクシー乗り場がありました!!(すごい!)
島の人によると最近2~3台は走っているとのこと。少ない台数なので、観光で使用する方は事前に貸切にしておくといいかも。
観光の交通手段として考えられるのは、タクシー・レンタカー・レンタバイク・レンタサイクル。なんと(本数は少ないですが)公共バスも走っています。
わたしは免許を持っていないので、この日までになんとかして原付の免許を取ろうと思っていたのですが……、普通に間に合わず断念。今回は諦めて、同行者を連れてレンタカーで観光することに。
▲与那国ホンダさんが空港まで迎えに来てくれて手続き完了です。
あ〜原付で走りたかったよ〜〜!! と到着するまではぶぅぶぅ言っていたのですが、先ほどからお伝えしている通り、今回は「大曇天&雨&強風」のトリプルアクセルだったため、レンタカーで大正解でした。
今後行かれる方は、ぜひ天気とにらめっこをしてからの検討をオススメします……!
曇りの与那国、行ってよかった場所ランキングTOP3
さて、それでは“行ってよかったランキング”の発表に移りましょう。
きっとね。青空だったらもっともっと素敵な場所はたくさんあったと思うんです。
与那国島でのダイビングは素晴らしいと聞くし、朝日も夕日もそれはそれは素晴らしいだろうし、釣りだって青い海に入ってぴちゃぴちゃするのだって、想像するだけでも最高でしょう。
でも今回は曇天。
そんな中でも「十分楽しかった!!!!!」と言えるモノ・場所を個人的な印象で3つセレクトしてみました。他の楽しみかたも必ずあるはずなので、あくまで天気の悪い日の参考にしてもらえるとうれしいです…!
それではいってみましょうー!
3位 美味しいご飯
やはり美味しいご飯は天候がどうであれ、わたしを裏切らなかった! 島にはそう多くのお店があるわけではありません。今回行って美味しかったお店を、3つご紹介します…!
●海人食堂(久部良)
まずは海人食堂。こちらは、久部良の漁港のすぐそばにあります。
▲地元の人が訪れる、気さくな食堂。
▲普段なら、ものすごく素敵な風景を目にしながら食事を食べることができるはず。
▲「本日のお刺身定食(800円)」を注文。
これが、白身魚でめちゃめちゃ美味しいんです…!
癖がなく、あっさりとして引き締まっていて贅沢な量。ちなみにこのお魚、「シイラ」という聞きなれない魚だそう。
見せてもらうと……、
……めっちゃ怖い顔してました。沖縄のお魚は、本当に色鮮やかで変わったものが多いですよね。シイラ、とっても美味しかったです。
●居酒屋/国境(祖納)・なんた(祖納)
次は、宿のオーナーさんが勧めてくれた「国境(はて)」と「なんた」という居酒屋。
▲国境(はて)というお店。島で唯一エレベーターがある場所。
▲店内は地元の人が入れ替わり立ち替わりやってくる。
▲当然オリオンビールと……、
カジキの唐揚げ(700円)←激ウマ!
もずく酢(300円)←めっちゃウマ!
珍味3種盛り合わせ(600円)
それから、
アーサー汁(300円)←これめっちゃ好き
豚バラにんにく炒め(700円)
ハツ串(300円)←写真撮り忘れた
アーサー汁が個人的には大ヒット。アーサーとは、「あおさ」のことだそう。たっぷりと入っているお吸い物は、都会では食べられない海の味がしました。
▲もう一軒、紹介するなら「なんた」かな。
▲オリオンビールのオールフリー、苦味がなくて美味しかった(初めて見たけど東京にもあるのかしら)。
▲そうめんチャンプルー(650円)
▲特に美味しかったのは、もずくの天ぷら(600円)。
その他、カジキのお刺身も食べたかったのですが……、残念ながら漁に出れていないからということでお預けでした。残念。
●番外編・お酒「どなん」
最後に、番外編として……。
「どなん」というお酒をご紹介。
こちらなんと、アルコール度数60度!
日本で唯一、与那国の酒造所だけで作ることが認められているんだそう……。
バニラアイスにかけて食べると美味しいらしい。宿のオーナーさんに勧められて一口もらってみると……。
熱っっっっつ!!!!
びっくりするくらい熱かった。一口飲んだだけなのに、一瞬で酔ってしまいそう……。オーナーさん曰く、「バニラアイスにかけて食べると美味しいよ〜〜!!」とのこと。贅沢すぎないか…?
ということで、第3位はお食事でした。
やはり、食べ物はどんな時もわたしを裏切らない。最高。
2位 ティンダバナ
さて2位は、「ティンダバナ」というところ。
“高さ70mの切り立った崖に、自然にできた展望台”とのこと。なんでも“15世紀末の女性首長サンアイ・イソバの住居であったとの伝承がある(wikipediaより)”という場所らしい。
女首長〜!? 素敵〜!と思っていたのですが、入り口に書いてある説明を読むと……
その女酋長は「巨体」で「剛力」の持ち主だったらしい。ちょっとイメージと違う。
▲集落の真ん中にドンッと岩がのっているように見える、これがティンダバナです。
ここは行ってみるまでは、「まぁ、島の展望台でしょ」くらいに思っていたんですが……
▲島の展望台でしょと思っているときのわたし
進んでいくと……
写真だとわかりづらいのですが大きな岩や不思議な形状の穴があり、辺りには神聖な空気が……。
集落を見下ろせる場所もあって……、
気持ちのいい雰囲気が漂っていました。
ここは「パワースポット」と呼ばれることもあるそう(納得)。
行ってみるまでは「そんなにすごいのかなー?」と半信半疑でしたが、やはり「パワースポット」と呼ばれるだけのことはある……。自分の体の何倍も大きな岩の下を通っていると、大きな時間の流れを感じて、なんだか「細かいことはどうでもいいや」という気持ちに。心がすうっと晴れるような場所でした。
天気が良ければそれはそれは絶景のはず。
与那国に行った際は、絶対に立ち寄って欲しい場所です。
番外編
1位に入る前に、番外編として「フォトジェニックで賞」を。
祖納と久部良の間、「ダンヌ浜」というところに、こんなスポットがあると教えてもらいました。
きれい!!
これ、本当は両隣が「お手洗い」なのですが(笑)、写真の撮りかたによってはめちゃめちゃ綺麗に撮れるとのこと。確かにフォトジェニック……。
ぜひ行ってみてください!(天気のいい日に!)
1位 馬鼻崎
そして1位は……!馬鼻崎(うまばなさき)。ここは、宿のオーナーさんが教えてくれた場所。
オーナー「馬鼻崎ってところ、行ったらあかんって言われた?」
わたし「えっ……、いえ、どこですか?」
オーナー「行ったらあかんって言われてない?」
わたし「(すごい聞いてくるぞ……)。言われてないです!」
オーナー「ほんま!? そんなら行ったらいいよー!」
こんなに「行ったらあかんかどうか」を念押しされると気になってくる……。
オーナーさんが地図に書き込んでくれた頼りない道筋(たとえば「ここらへんをまっすぐ行って」とか「ここらへんを左」とかそんな怪しい説明)を辿っていくことに。
場所は、地図でいうと、ここ。
オーナー「空港を通り過ぎたところに“ミラー”があるから、そこを右に入ってね」
この頼りない説明を元に、向かってみたのですが……。
えっ……ここであってますか……? ジャングルみたいですけど……。
あの……本当に合ってます……?
カーナビではわたしたちはすでに溺れたことになっている……。
えっ!?!?! 戻ってきてしまった!?!?!?!?
と、いう具合に、めちゃめちゃ難関。
ボコボコの道と、狭い道なき道をバッサバッサと草をなぎ倒しながら進んでは、一旦戻って来る…の繰り返し。
オーナーが言っていた場所は幻だったのではないか……と思っていたのですが、
ここでインターネットという救世主を使って「馬鼻崎」への行き先を調べてみると、オーナーの道案内が間違っていたことが発覚。
振り出しに戻る、を3回繰り返したのち、ついに正しい道に出ることに成功しました。
(ちなみに、いつか行く人のために説明すると、ただしくはミラーのある場所から曲がったら、あとはひたすらまっすぐ牧場を突っ切るのが正解。でした)
しかし相変わらず道は困難を極めます。
なんせ頼りになるのは、先人の轍のみという原始的な道。
突然出てくる馬に怯えたり、
立ちはだかりこちらを見つめてくる馬を前に、どっちにも進めなくなったり。
大きな穴を避けるデンジャラスゲームなどを乗り越え……、
やっと到着、です!!!!!!
この白い石碑が到着の目印です。すごい!
これ、普通の場所に見えていると思いますが、じつは……
こんなに高い。(上の黒い点がわたしです)
この崖……。本当にすごくて……、
▲こんな感じ。ひやっとする。
この日は風が強すぎて、立っているのもやっとなほどの強風。
優雅な写真に見えますが、
風「ゴゴゴォォ!!!」
波「ザッパーンザッパーーーン!!」
と、風と波による爆音オーケストラがすごかった。
普段ならば上からウミガメが見えるほど、海は透き通っているそう。
寝転んで、空を見て、強い風に吹かれて、海の匂いを嗅いで……。
この馬鼻崎が今回の与那国島観光では、一番印象に残りました。
ちょっと行くのが難しいのですが、ぜひぜひぜひぜひぜひ! 行ってみて欲しい場所です。
地元の人なら、すぐに到着できる(&天気が良ければ不安にならずに済む)かもしれませんが、初心者には割と不安になるコースだった……。とにかく、穴と高所に気をつけて行ってくださいね。
と、いうことで以上3選でした!
大雨であれば少し厳しいかもしれませんが、多少の雨なら行く事ができる場所。アクティビティが中止になってしまった! というときにも気持ちのいい気分を味わう事ができるはずです。多少天気が悪くても気を落とさず。ぜひ、行ってみてくださいね。
その他立ち寄った場所たち
もちろん、そのほか観光スポットはたくさんあります。
ザザーッと紹介しますね。
▲日本の最西端の石碑。日本で最後に沈む夕日を見る事ができます(謎の躍動感はスルーでお願いします)。
▲こっちは与那国島の東の端、「東崎(あがりざき)」。馬が放牧されていて、少し寒々しい独特の雰囲気も。
▲立神岩(たちがみいわ)。ここもパワースポットだそう。
▲軍艦岩。与那国には「本当に自然にできたの?」と言いたくなる不思議な岩が多い。
▲こちらが、比川(ひかわ)にあるDr.コトー診療所の撮影セット。周辺も、撮影で使われた場所がたくさん。ファンの方にはたまらないはず。
それから、忘れてはいけないのが……、
与那国島はダイビングスポット。
そして、海底遺跡があります。
今回は、ダイビングライセンスも持っていないのでグラスボード(6000円/人)で海底遺跡を見に行くことに。風が強かったので、何度も欠航になってしまったのですが3日目の朝、無事に乗ることができました。
▲スポットまでは海を眺め、
▲スポットにつくと地下へと移動します。
▲インスタジェニックな写真も撮れる。
与那国島の海底遺跡は、人工物なのか自然物なのか、未だ解明されていないそう。ロマンがある……。グラスボートからでもしっかり見ることができました。
▲こんなかんじで平らな場所が続いていたり……
▲こんなかんじだったり……。
▲こちらが海底遺跡の全貌。
船の中、お兄さんの解説を聞きながら海底遺跡を見ることができました。
海底遺跡は、ダイビングまたはシュノーケルor船で見ることができるのでぜひ行ってみてください。
ちなみに与那国の海は波が高く、とにかく船はグラグラと揺れます。酔い止めを飲んで行ったにもかかわらず、酔ってしまったほど……。
▲この顔、完全に酔っている。
時間があれば、ぜひぜひ行ってみてくださいね(ダイビングできる人は絶対に潜ったほうがいい!)。
そして最後に……、
今回は「美人をふやせ!」という企画趣旨に沿って、「満月ムーンライトウォーキング」も用意していただいていました。
▲onemahina(オネマヒナ)さん
こちらのTシャツやさん(オネマヒナさん)にてウォーキングを申し込むことができます。
オネマヒナさん曰く、「満月だと、びっくりするくらい外が明るいんです。編み物をすることができるくらい」とのこと。
ものすご〜〜〜くたのしみにしていたのですが、
この日は雲の合間からしか見ることができなかった(でも綺麗だった!)。
満月の日、綺麗な月のしたでお話を楽しみながらウォーキングするのは、最高だったんじゃないかなぁ。ちなみに新月の時期であれば、星座を見つけるのが大変なほど星が見えるのだとか。見てみたい……!!!!!!!
代わりに…といってはなんですが、この日はオネマヒナさんと色々とお話しすることに。じつはオネマヒナさん、昔は東京で暮らしていたそう。
なんと島でたくさんお話した4人中4人が、移住で与那国島にきていました(宿のオーナーさんも大阪出身の方だった!)
そしてそのみんなが「いつか気が変わるまで、ここに住もうと思っているの。あんまり決めちゃうと、それはそれで力が入ってしまうでしょう?」と言っていたことがとても印象的で。
不思議な縁があって、与那国島にたどり着いて。
いつか気が変わるまで住もうと決めて、暮らし始める……。
ものすごく柔軟で、そして同時に地に足がついているな……と感じました。最西端にはそういう人が住みつきやすいのかしら、と思うとなんだか島に愛着が湧いてきたり、わたしもいつかどこで暮らすか迷ったらここに来てみようかな、なんて思えたり。月は見ることができなかったけれど、とても貴重な時間になりました。オネマヒナさんありがとうございました……!
そのほか与那国島では、乗馬やダイビング、釣りなどたくさんのアクティビティがあります。季節が違えば遊び方もまた変わりそう。
余裕をもって2泊3日以上の滞在をオススメします!
お世話になった宿泊先
そして最後に、今回2泊3日お世話になった宿泊先、Fiestaさんを紹介してこの長い長いブログもおしまいにしましょう。
▲オーナーさん(右)と、アルバイトのりゅうちゃん(左)。
オーナーさんは大阪から、りゅうちゃんは北海道から与那国島に来ているそう。二人とも気さくで、とっても優しくしてくれました。
▲共用部。料理も可能。
誰かが共用部にいてご飯を食べたりテレビを見たり。声をかければすぐに仲良くなれる、あったかい雰囲気。
部屋はドミトリー(2500円/泊)と個室(4000~7500円/泊)があります。詳細は、こちらでご確認を〜!
▲お洗濯も100円でできますし、
▲バスタオルも100円で貸してくれます。
▲(ありえないくらい曇天ですが)屋上にはテラス席も。晴れていれば、ここでお酒を飲んだりする日もあるそう。
本当にお世話になりました。ありがとうございました!
さいごに
なんと7000字に及ぶレポートになってしまいました……。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
とにかく一言でいうと、
(曇天でアクティビティとかできなくなってしまったとしても、十分に)
楽しかった!!!!!!!!!
いつか与那国島への旅行を考えている人の、何かの役に立てれば幸いです…!
本当にありがとうございました!!!
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ちなみに……、
帰り、飛行機にのって那覇に移動すると
めちゃめちゃ晴れてた。
このあと那覇で3日間遊んで帰ったのですが、そんな風に周辺の島や那覇とセットにして遊ぶのは最高じゃないかと思いました。そんな遊び方を、ぜひ!
(今度は晴れの与那国島に行きたいものです……)
それではみなさま、またね…!